多くはビジネスの目的で、日々、技術革新が続いている。
一方で、その多くのテクノロジーをどうやって利用していくかは、利用者に委ねられている。
3Dプリンターも、その一つだ。3Dプリンターは専用材料と設計図さえあれば簡単に立体模型を作れる、非常に低コストな製造装置として、大きな注目を集めている。
アフリカ、スーダンにて、3Dプリンターを用いて「義手」を量産しようという試みがある。非営利団体、Not Impossibleによるものだ。
スーダンでは、いまも政権や油田の利権を巡って、内戦の続いている。民間人も戦火に巻き込まれ、命を断たれたり、体の一部を失ったりしてしまう。
非営利組織「Not Impossible」は、Mick Ebeling が、共同創始者のElliot Kotekと共に設立した。
「Technology for the sake of humanity” (テクノロジーを、すべての人間のために)」が組織のスローガンの一つ。大きなコストをかけず、テクノロジーと工夫を掛け合わせることで、偏在的な生活の問題を解決することが目的だ。
ニュースで爆撃に巻き込まれ両手を失った少年、Danielのことを知ったEbelingは、その後スーダンに飛んだ。彼の義手を作るためだ。
直接Danielの義手を設計し、組み立てていく。
完成だ。
義手は決して、最先端の、高機能なものではない。しかし、それは14際で両手を失ったDanielに、2年ぶりに「自分の手で食べる食事」を与える事ができた。
このプロジェクトのゴールは、Danielに義手をプレゼントする事ではない。他の多くの被害者のため、現地の人々が、自分たちで義手の生産を続けるしくみを作ることだ。
3Dプリンタの使い方、どうやって義手を作るかを、地域の住民に手ほどきする。
今は、1週間に1本の義手が、現地で作られているそうだ。
テクノロジーは世界を変える。それをどう利用していくかは、その人次第なのだろう。
より詳しい情報は Not Impossibleのサイト(英文)、Project Danielのドキュメンタリー動画はYoutubeから閲覧可能だ。
また、できるだけ多くの人にプロジェクトについて知らせて協力を募っていく事も、彼らがこの活動を続けていく上で重要な事の一つだ。ぜひ、この記事をシェアしてほしい。
出典: Not Impossible, Wired.co.uk